POSシステムを活用して、実際にABC分析で売上増加・コスト削減

以前、POSレジについて調査し記事にしました。
今回は、POSレジの大本、POSシステムの実際の活用方法を記載したいと思います。

*記載する内容は、店舗開業.comの主観や取り組みが反映されていますのでご了承下さい。

目次

POSレジとPOSシステムの違い

記事にもありますが進める前に確認の為、改めて『POSレジとPOSシステムの違い』について記載させていただきます。

POSシステム

  • データを管理または分析するためのシステム                    
  • 販売管理や分析に活用する為の機能やシステムの総称

POSレジ

  • POSシステムの一部
  • アプリケーションが搭載された店頭レジ
  • 会計機能・売上管理・商品管理・在庫管理・顧客情報管理といった機能も兼ね備えた情報記憶ハードウェア

POSシステムで出来る事 

データ管理

  • 膨大な数の事実に基づく販売データが収集可能
  • 不人気商品(=死に筋)を発見でき、経営資源の効率化が図れる
  • 人気商品(=売れ筋)を発見し、売上増加と顧客満足度の増加が図れる
  • 時間帯別売上による、人員配置の適正化による人件費の削減など経営資源の効率化が図れる
  • 何の商品がどれだけ売れたのかがわかり、在庫管理や仕入管理、原価管理の最適化が図れる
  • 抱き合わせで売れる併売商品がわかる

POSシステムの実際の活用方法

ABC分析

ABC分析で人気商品と不人気商品を炙り出し、コスト削減と売上増加を図ります。

ABC分析とは

  • 販売データをA(人気)、B(どちらでもない商品)、C(不人気)の3つのランクに分けて、商品の重要度や優先度を明確にする手法

ABC分析の重要な項目

  • Aランク商品の明確化とAランク商品の売上と原価の構成比率の可視化
  • Bランク商品のAランク商品への昇格
    • 体感で自店の売り商品がメニュー名aだと思っていても、実際に数値にした所メニュー名bだという事があります。
    • 上記は、店目線か顧客目線かの差異だと考えています。
    • そして、ABC分析を行う事で顧客目線でのメニュー名bがAランク商品である事が数値として可視化でき、その結果、施策を講じ実行するができます。

ABC分析の肝は、感覚では無く、数値化して視える化している事

ABC分析で得られる事

  • 売上貢献度が高いAランク商品の在庫管理を行い、ロスの削減による原価削減効果
  • 貢献度が高いAランク商品のコストを下げる事により、原価削減効果
  • 貢献度が高いAランク商品の顧客層に対しする、マーケティングの施策・実施が可能

ABC分析で売上アップ

例題を通して、実際の数値を使用し具体的にABC分析を活用していきます。

(例題)居酒屋の場合

表1) ABC分析(売上)

売上のABC分析で視えてくるコト

  • 売上のABC分析では、Aランク商品が総売上の74.5%を占めており、Aランク商品とAランク商品カテゴリーが顧客に支持されている事が数値として可視化できます。
  • 例題のメニュー構成でのABC分析から、大きな分類として顧客が鶏料理を欲している可能性が高い仮説として考えられます。

ABC分析で売上アップ

  • 例題の売上のABC分析データより、顧客が自店に望んでいる事は鶏料理店だと仮定します。
  • 売上アップの手段
    • 鶏の唐揚げのバリエーションを増やしたり、焼鳥の部位により価格を変動させる事で、利益を保ちながらと顧客価値が増加し売上増加を図る事ができると予測し実行する
    • お刺身盛り合わせの売上構成割合が低い事から、自店に来店される顧客が魚料理は他店を選択している可能性が高いと予測ができます。
      • 原価を把握し、原価が高い場合はメニューから外し、鶏料理専門店として運営方法の変更を考える事もできます。

ABC分析でコスト削減

売上だけでは無く、原価のABC分析も同時に行います。
(例)居酒屋の場合

表2) ABC分析(原価)

原価のABC分析で視えてくるコト

  • ABC分析の結果、Aランク商品が総原価の72.7%を占めています。
  • 更に、理論値原価が22.0%とも算出でき、実際の棚卸しを通し原価差異のデータとしても活用できます。

ABC分析でコスト削減

  • 例題の原価のABC分析データより 、
    • 唐揚げの出数を増加させるか、焼き鳥の仕入値を抑える事により、原価の増加を防ぐ事ができます。
    • A商品のロスが原価に大きく影響する為、重点的に管理をするなどの策を講じられ、ロスの防止ができます。
    • 在庫管理にも応用でき、適正在庫、キャッシュフローへ良い影響を与える事ができます。

多面的に捉え更なる成長

Bランク商品の戦い方

  • 例題の原価のABC分析のBランク商品は、実は原価が圧倒的に低い商品です。
  • Bランク商品をお薦めする事や商品の改善をする事で、顧客満足度が増加し利益が増える可能性を秘めています。
    • マクドナルドで原価が高いハンバーガーと原価が低いポテトフライをセットで売っている理由です。
    • そして、例題のB商品の中で季節により売上が変動する商品がある場合、時期を考慮した商品を開発する事により、更なる顧客を獲得できる可能性も秘めています。

POSシステムを利用し、時期の変動を考慮する自店商品のトレンドを分析

POSシステムを利用し、時期や時間帯で主要な商品を炙り出す事が可能です。
(例)居酒屋の場合
冷奴の出数が季節により図の様に変動するとします。

表3) 冷奴の月別出数
  • ここで重要な事は、出数の変動を抑制するよりも出数が多くなっている時に、更に顧客満足度を増加させる事です。
    • 寒い時期に冷奴をお薦めしたとしても、顧客満足度は上がらないと考えている為です。
  • また、在庫管理が可視化でき、管理や発注がしやすくなりロスの低減も図れます。
  • 原価の低いBランク商品をAランク商品にする事で、原価が下がり利益が増加する可能性があります。

トレンド分析の肝は商品を先取りできる

  • POSシステムデータより未来が予想でき、顧客に先々の商品のご提案も可能になります。
  • 先取る事で更に、先々の打ち出しができ自店を覚え来店してくれる可能性が高くなります。
  • 先取る事で接客の回数も上がり、顧客との接触回数が増加する事で、ザイオンス効果も図れます。

ABC分析の応用

在庫の定数を可視化

  • POSシステムより、毎週の在庫定数と発注定数を導き出す事も可能です。
  • 曜日別での出数や曜日別売上の強弱をPOSシステムから導き、仕込み定数を設定する事で在庫管理・発注管理を行い、ロス軽減だけでは無く、在庫の適正による、現金支出もコントロールできます。

時間帯別売上による人件費の適正配分

  • POSシステムでは、時間帯毎の売上データを取得可能です。
  • 予算内に人件費を配分する時にPOSシステムデータを活用すると人件費コントロールの精度が高くなります。
  • そして、利益を確保した人件費の余力分で、教育・清掃・商品開発に投資する事で、更なる成長を図ります。

最後に

POSシステムを活用する事で、可視化したデータより施策の実行が可能となります。
・顧客ニーズの分析
・顧客ニーズより新たな商品の開発
・リピーターの獲得 など
上記を基に性別、年齢、所得、エリアなどのデータがあると更に精度は増すでしょう。
忙しくデータ分析が出来ない事も多々あると思います。
しかし、自店のノウハウや未来永劫継続した運営する為には、データ分析は必須だと考えています。
データを基に常に運営サイクルを回し、指針を示し予習・復習を行う事で成長すると考えている為です。

データ分析がしたくても出来ない場合は、店舗開業.comまでご一報いただければ幸いです。

POSシステムデータを活用し、全国約70万の飲食店からご一緒に一つ抜け出しましょう。

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